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第1回アンケート:「もっと早く気づけばよかった。こんなに使える企業の教材」

子どもたちがプロの話に集中!
学習の動機づけに有効に使いたい企業の教育支援。

「月刊 先生のための学べる5分アンケート-第1回アンケート:もっと早く気づけばよかった。こんなに使える企業の教材」」へのご回答ありがとうございました。
今回は77名の先生方(小学校:39名、中学校:17名、高等学校11名、その他:10名)に、「企業の教育支援活動の活用」についてのお答えをいただきました。

学校の授業で使ったことがある企業の教育支援活動は?

1位は、やはり、企業講師による出前授業(70%)。未活用3割の先生方も、
ぜひ効果を実感しては?
教科や学習活動と連動し、小学校では工場・施設見学、中学校では職場体験の実績が多いのは予想通りでしたが、小中高校全体では、出前授業が人気です。人気の理由を見ると、先生方だけではできない、企業ならではのメリットが多々ありますね、さらにすべて無償!ぜひ有効に活用したいものです。
  • イキイキと働く大人、プロの専門的な話を直に聞くことは子どもにとって大きなインパクトになる
  • 企業講師の仕事の話は、「社会には様々な職種や活躍の場があること、働くことの楽しさ」を知る機会になる
  • 様々な分野の企業の組みや事例は、日頃の学習と社会がつながっていることを実感できる
  • 学校ではできない実験や、企業ならではの発想の授業、体験ができる
学校の授業で使ったことがある企業の教育支援活動は?(全体)
学校の授業で使ったことがある企業の教育支援活動は?(校種別)

企業の教育支援を活用した時のテーマは何ですか?

SDGs、ESD、ダイバーシティ、金融・経済、国際理解・・・と、
活用テーマは多彩!
小学校は「各教科の単元のテーマ」、中・高校では「キャリア教育」での活用が多いですが、その他の様々なテーマにおいても、企業の教育支援が活用されていることに驚きますね。総合的な学習では、昔から「環境」「情報」「国際理解」等は人気のテーマでしたが、「SDGs」「ESD」「ダイバーシティ」、加えて「オリンピック・パラリンピック」といった、まさに企業が今取り組んでいる重要なテーマも授業で活用され始めていることがわかります。まだまだ情報や事例が少ないテーマや、先生方がちょっと苦手なテーマだからこそ、企業の教育支援を効果的に活用するチャンスといえますね。
企業の教育支援を活用した時のテーマは何ですか?(全体)
企業の教育支援を活用した時のテーマは何ですか?(校種別)

実施している、または今後実施してみたいテーマを教えてください

全校種で「貧困」をテーマにした授業への関心がダントツ1位!(約70%)
選択肢を見て、既にお気づきの先生もおられることと思いますが、この17の選択肢は、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(エス・ディー・ジーズ)=「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」)の17の目標をもとに作成しました。子どもたちが生きる未来は、世界中の人々と協働して、これらの問題を解決していく人材が求められるのです。
これらテーマの授業実施にあたっては、子どもたちの興味を引出し、自分事として考えさせる工夫、しかけが重要です。ぜひ企業の方々と協働して、子どもたちがSDGsの本質を理解し、行動できるようになる、新たな視点の授業が実現することを期待しています。
実施している、または今後実施してみたいテーマを教えてください(全体)
実施している、または今後実施してみたいテーマを教えてください(校種別)

企業の教育支援の多くが無償なのはなぜ?

企業活動で得た利益を、教育分野に還元するのは当たり前の時代!
この設問では、1~3が正解なのですが、2の「企業活動で得た利益を社会(教育)・経済・環境分野に還元するのは当たり前」という企業の基本的な考え方は、16%の先生しか選択していません。逆に、間違いとして設定した4の「教育支援活動は新商品などの宣伝広告として有効だから」という選択肢を、3割以上の先生が選んでいます。この結果から、まだまだ企業の教育支援の基本姿勢が、先生方に届いていないことを実感しました。
ここ10年、「企業は利益を追求するだけでなく、組織活動が社会に与える影響に責任をもち、持続可能な未来社会を実現する社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)がある」という考えが浸透し、商品の宣伝のためではなく、持続可能な社会の担い手である「次世代支援」することは、その企業の価値を高めることにつながると考えられています。先生の回答の中に、「企業の社会的責任という側面もあるだろうが、学校こそが『文化的、創造的発信力のあるカルチャーインフラ』なのだから、学校とコラボすることで真の利益を得るのは企業側であると思います。(一部抜粋)」とのご意見がありましたが、確かにその通りなのです。売上やPRといった直接的な効果ではなくても、企業にとってメリットがあることが理解されるようになったからこそ、学校が求める教育支援活動を継続的・発展的に支援することに積極的な企業が増加しているのです。
企業の教育支援の多くが無償なのはなぜ?

企業の教育支援を活用するとどんなメリットがあると思いますか?

記念品や商品もうれしい?!でも、やっぱり企業ならではの「実験や体験」が魅力!
「学校ではできない実験や体験ができること」「テーマに対する専門的な知識や情報が得られること」がメリットと感じる先生が約7割、また、「その他」を選択した先生から「子どもたちが『教えられる存在』という受け身ではなく、企業と一緒に考え、行動できる機会があれば、より能動的に『学ぶ存在』となり、ひいては企業に対してもアイデアを提供することにもつながると思います。卒業して『大人になってから』ではなく、生徒がそのままで社会貢献できるはずで、そのきっかけになるのが最大のメリットであると考えます。」とのご意見も。確かに、大人たちが真剣に取り組むリアルな課題に、子どもたちも一緒になって取り組むことは、子どもたちにとって学習と社会がつながり、学ぶことへの有用感が高まる瞬間となるに違いありません。
ちなみに、CSRとして出張授業を実施している企業が、自社の商品を宣伝目的で子どもに配布することはないと思いますが、授業の教材と関連する記念品等を準備している場合はあります。
企業の教育支援を活用するとどんなメリットがあると思いますか?

企業の教育支援を「効果的に」活用するために必要なことは?

企業講師は「授業」の素人です。よい授業のためには、任せっぱなしにしないことが重要!
企業講師の授業を成功させる秘訣は、先生がいかに効果的に授業に協力するか、ということです。
  • 企業講師の話が長すぎて子どもの集中力が続かなかった
  • 企業講師の使う言葉が難しかったり、習っていない漢字を使ったりしていた
  • 授業のねらいがよくわからず、教科との関連もなく、楽しいだけで終わってしまった
など、残念な結果に終わるのは、企業講師が「授業」のプロではないことを認識し、先生方が効果的なサポートをしなかった場合に多くみられます。
企業の教材を効果的に活用するためには、児童・生徒の状況が一番わかっている先生が、企業講師と事前にしっかり打ち合わせをすること。学習のねらいや子どもの様子を伝え、実際の教材をしっかり確認して必要な要望を伝えるなど、事前準備が不可欠です。また、授業当日も、子どもたちの様子を見て、補足や声掛けのサポートをするなど、講師と協働で進めることも効果的です。
企業の教育支援を「効果的に」活用するために必要なことは?

企業の教育支援を活用するために課題となることは?

時間がなくても、頑張って取り入れるだけの効果は大きい!
お忙しい先生方が企業の教育支援を活用する際の課題は、何といっても「時間の確保」(65%)。自由回答の中にも、「時間割調整、企画・実施時の細案作成など事前準備にかかる手間が大きい」とあり、きっと同じ思いの先生が多いことと思いますが、キャリア教育の側面からも、多様なテーマの学習という側面からも、企業講師が来てくれる授業や企業ならではの教材の活用は、子どもたちにとって大きな効果がある、やってみたい、という声も多くいただきました。
忙しい・・・でもぜひ活用してみたい、という先生方に、少しでも効率よくプログラムを探すために、インターネットの活用をお勧めします。(参考サイトもぜひご活用ください:キャリア教育プログラム開発推進コンソーシアム https://www.career-program.ne.jp/) 
長期休みなどを利用して、単元の学習内容とうまく関連しているプログラムを探してみて、学年や教科の先生と相談してみるのもよいかもしれません。
企業の教育支援を活用するために課題となることは?