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第2回アンケート:「子どもたちの資質・能力育成のためには「総合的な学習の時間」見直しが成功のカギ!」

月刊 先生のための学べる5分アンケート-第2回アンケート:子どもたちの資質・能力育成のためには「総合的な学習の時間」見直しが成功のカギ!」へのご回答ありがとうございました。
今回は58名の先生方(小学校:32名、中学校:8名、高校7名、その他:11名)に、「総合的な学習の時間」についてのお答えをいただきました。

あなたが考える「総合的な学習の時間」とは?

1位のキーワードは、「実社会」「体験」「実生活」「能力」!
本設問に対しては、校種によって回答に多少の差がありました。
  • 小学校はどの選択肢もまんべんなく回答される先生が多いのに対し、
  • 中学校は約36%の先生が「実社会と結びついた学びや体験を取り入れ、実生活で活用、応用できる能力を身につけることをねらいとしている」、
  • 高校は約37%の先生が「あるテーマに対し、教科を横断的に結びつけながら探究的に学習する」との回答でした。
ただ、多くの先生方が「実社会とのつながり」「体験型」「探究型」「能力育成」を総合的な学習の時間のポイントであるとあげておられることがわかりました。
また、自由記述でいただいた中には、
  • 課題を見つけ、情報を収集、整理、統合して実践し、自他のフィードバックを受けて新たな課題を見つけていく探究のサイクルを回すこと。
  • 今後は、自分たちの地域と離れた地域の比較やつながりをもてるようにすること。
などのご意見もありました。
あなたが考える「総合的な学習の時間」とは
あなたが考える「総合的な学習の時間」とは内訳

子どもたちの資質・能力を伸ばすための「総合的な学習の時間」の計画を立てる際に必要だと思うものは?

資質・能力を育成するために、一つの正解を求めない探究型のテーマを設定すること!
総合的な学習の時間が始まって10年以上、最近では、「調べて、壁新聞(レポート)を書いて終わる」という学校は少なくなってきていると思います。育成したい資質・能力を明確に定め、それが育成・発揮できるように、さまざまな学習活動を組み合わせる先生が多くなってきています。学校や児童・生徒に合った多様な「総合的な学習の時間」が全国で展開されることが楽しみですね。
また自由記述には、「人的な資源・金銭的な資源を見直す。教師の負担増にならないように人や金をきちんと準備するべき。思い切って偏りのある研究活動をやるべきだと思う」や、「計画しても、多様な視野・視点・視座で捉え、年間指導計画をブラッシュアップさせる」などのご意見も。
子どもたちの資質・能力を伸ばすための「総合的な学習の時間」の計画を立てる際に必要だと思うものは

「総合的な学習の時間」における教員の役割として必要なことは?

やはり事前の準備、実施中のフォローが先生の役割!
「総合的な学習の時間」では、児童・生徒が目標に向かって主体的に学びを進めていくことが求められます。それを実現していくために、今まで以上に、事前の準備とともに、子どもたちの気づきを促したり、探究活動中の声かけをしたりするなど、的確なフォローが大切だと思っておられる先生が多いようですね。また、「児童・生徒とともに、テーマについて学び続ける姿勢を示す」について、「総合的な学習の時間」のテーマとしては、実社会の課題など、1つの正解のない内容に取り組むことが多いでしょう。だからこそ、先生方もすべてを知っている必要はなく、テーマ(課題)に対して前向きな興味を示すことも、子どもたちの主体的な活動につながります。
ご自身はどのような役割をしておられますか、ぜひふりかえってみてください!
「総合的な学習の時間」における教員の役割として必要なことは

「総合的な学習の時間」における評価で必要だと思うことは?

約30%の先生が、活動中の児童・生徒のふりかえりと改善の習慣が大切だと考えています!
資質・能力がどのくらい育成・発揮されたかペーパーテストだけで測れるものではないことは、すべての先生が実感しておられることでしょう。学習目標を子どもたちと事前に共有し、その目標に対してどの程度達成しているかを子どもたち自身が定期的に見直し、そして次なる目標を設定していく、このような評価方法が実施され始めています。
自由記述の中にも、「児童が自己評価する際、その足跡や自己の変容を辿れるようなポートフォリオや掲示物(あるいは情報系の記録)などを用意すること」「結果も重要視されるが、子どもたちの小単元ごとの成長を感じて、前向きに取り組んでほしい」とありました。
資質・能力は1回の実践では定着しないもの。そして、意識しなければ活用もされにくいもの。だからこそ、定期的に子どもたち自身が見直していく機会が大切ですね。
「総合的な学習の時間」における評価で必要だと思うことは

これまで「総合的な学習の時間」で取り組んだことのあるテーマ・内容は?

小学校は「環境」、中学校は「キャリア・食」、高校は「地域理解」!多彩なテーマで実施。
総合的な学習の時間のスタート時から、環境、キャリア教育、食、地域理解がよく取り組まれているようです。ただし、これからますます学校に合ったテーマへの取り組みが求められてくることでしょう。第1回目アンケートで実施した、企業が提供する教育プログラムを活用したり、地域と連携した地域課題の解決に着手したり、さまざまなチャレンジをしてみてください。
これまで「総合的な学習の時間」で取り組んだことのあるテーマ・内容
これまで「総合的な学習の時間」で取り組んだことのあるテーマ・内容

「総合的な学習の時間」の進め方は?

「総合的な学習の時間」のテーマは、教師が設定することが多い。
これからの総合的な学習の時間では、児童・生徒の興味・関心に応じた探究課題を設定し、探究活動を進めていくことが求められていますが、現時点では、まだまだ教員によるテーマ設定が多いようです。
児童・生徒の興味関心に応じたテーマ設定にすることで、教員はどこまでの支援(フォロー)が必要なのか、子どもたちが自由に進めてしまうことで深い学習にならないのではないかなど、たくさんの心配の声を聞きます。
これから試行錯誤しながら進んでいくことと思いますが、地域人材との連携は進んでいることがアンケート結果からわかりますので、先生がすべて考えて準備をしてフォローをする活動から、「社会にある全施設、関わる人、すべてが総合的な学習の時間を進めてくれるパートナー」と発想を転換し、一緒に考え、支えてもらうことも、これからのポイントの一つかもしれませんね。
「総合的な学習の時間」の進め方

「総合的な学習の時間」における探究的な学習を展開(実施)するうえで、課題に感じることは?

準備の負担が大きいことがダントツ一位!(約27%)
総合的な学習の時間では、教科書がなく明確な一つの正解があるわけではないことから、毎回の準備は本当に大変なことと思います。その大変さは理解しつつも、「総合的な学習の時間」は、先生方のキャリア開発にもつながると信じ、発想を転換して取り組んでほしいと考えています。総合を進めるためには、目標の設定、企画設計、専門家との調整、学年間の調整、進捗の管理など…、先生方にこそ、多様な資質・能力の発揮が求められてきますから。
自由記述では次のような意見もありました。
  • 国語算数理科社会の強化や行事などが中心になっているため、大人も子どもも時間に追われていて、一番肝心な「総合的な学習の時間」がなおざりになっている。
  • 教師側が既成観念に縛られていて、テーマが面白くない。もっと面白くてワクワクする事例が上がって来てもよさそうなのに、行儀のよい実践ばかりでつまらない。6年生(中3)の総合など、全くの白紙から始めて「最後に総合的な学習の時間で何がしたいか」を5時間ほどかけて考えさせ、残り65時間を子どもに預けてもよいのではないか。10万円の予算を取って「10万円あったら何に使うか」をプレゼンして、最優秀のプレゼンをしたグループの使い方で予算執行する…など、型破りな実践をやってみたいものだ。
  • 学年団の協力が得られない。
  • 管理職の理解より教員間の理解が難しい。
よい取り組みをしたいと思っているものの、さまざまな阻害要因に苦しむ先生方の生の声が聞こえる中、「少しずつ、ステップアップできるよう、前向きに取り組んでいく」とのご意見も。ぜひ前向きに!応援しています!
「総合的な学習の時間」における探究的な学習を展開(実施)するうえで、課題に感じること