カリキュラム開発セクションで、企業がもつさまざまなリソース(技術、情報、理念など)をいかした教育プログラムの企画・開発を担当しています。開発したプログラムを通して、子どもたちに学ぶ意義や楽しさを実感させ、「学習」と「社会」とがつながっていることへの気づきにつなげ、子どもたちの可能性を引き出したいと思っています。

私がカリキュラム開発において大切にしていることは大きく2つあります。

1つめは、何に「気づき」「考え」てほしいか、そして何が「できる」ようになってほしいかを主にすること。企業にはたくさんの魅力的なリソースがありますので、ついついたくさんの情報を伝えたくなります。そうするとどうしても、こちらから一方的に話をするだけの「知識提供型」授業になってしまい、子どもたちの記憶に残らず、学ぶ意義や楽しさの実感にはつながりません。学習の“ねらい”を明確にし、子どもたちが「自分で考えたい!」と思うような学習活動を組み込むことを大切にしています。

2つめは、子どもたちが「わくわく」するようなしかけをすること。実験やイベントのような派手な演出もわくわくしますが、決してそれだけではなく、「なぜだろう」「どうしてだろう」と、子どもたちの興味につなげる 「問いかけ」が重要だと考えています。そして「わかった」「自分でもできるようになった」と自己成長を実感させる内容にすること。これも子どもたちの学びへの「わくわく」を引き出すために大切な要素だと思っています。

子どものころから教員に憧れ、大学では教育学部に進学しました。いろいろな事情が重なり、教員免許は取得しないまま卒業しましたが、縁あって教育サービス企業であるキャリアリンクに入社しました。

初めて担当したプロジェクトは、世界的企業が実施する教員研修の日本事務局の運営です。わたし自身も講師として研修を担当しながら、主に研修講師の育成支援をおこないました。1回36時間もの研修を何回も実施しましたので、たくさんの先生方と何日間も共にし、多くの現場の声を聞かせてもらいました。その中に、教員は時間的制限もあり、ほかの教員の授業を見る機会や情報共有の場が少ないということ、企業活動について詳しくなく、学習と社会とのつながりを伝えきれない、といったお悩みがありました。

その後、ICT支援員として学校現場に数カ月常駐したり、先生方と協働でたくさんの教育プログラム開発をする中で、自分にできることは何かを深く考えるようになりました。もともと教員志望だったので、実は入社後4~5年ほどは、じかに子どもと触れ合いたいという気持ちが強かったのです。ですが、さまざまな経験を通して、先生方の支援をしたいという想いに変わりました。それこそが子どもたちへの支援につながると思えるようになったのです。

今の自分の使命は、学校現場で真に活用してもらえる、社会とつながるよい教育プログラムを開発し、より多くの先生方に届けることだと考えています。