menu

News & Topics

お知らせ

2019年01月23日 更新

高校生と企業が本気で向き合い、未来を考える!
「未来の教室 CHANGE-MAKER’sLab. * ワークショップ」実施レポート

2019年のスタートとともに、新たな次世代育成ムーブメントが動き出しています!

2019年1月12日(土)-14日(月・祝)、東京大学駒場キャンパスに全国から意志ある高校生13名と先生方8名、そして5業種の異なる企業から想いある5名の講師が、「未来の学び」の在り方を考えるために集結しました。

2泊3日のワークショップで、高校生×企業がともにめざしたことーそれはこれまでにありがちな「社会課題/商品開発アイディアソン」ではありません。3日間、高い意識と知識をもつと評価された高校生が実社会で課題解決に挑む企業講師の想いの交流を通じ、未来のために今、何をすべきなのか、何をしたいのか、学びの現場に求められる支援は何か、共に問い続けました。

高校生にとっては、「社会のことを考えている」つもりが実は「社会の現実を知らなかった」ことに直面することで、未来を身近に実感し、文系・理系の枠を超え自己のキャリアを見つめる機会、そして企業にとっては、近い将来Co-workerとなる高校生のポテンシャルとニーズを強く認識する機会となり、高校生と産業界が本気でタッグを組み、「やったつもり」の探究から脱却するための学びの要件を見いだすことができました。これまでの価値観・成績の良さ・ひとつの専門性の追求だけでは、これからの未来は創れない!そんな共通の気づきも生まれました。
すでに参加校では、今回のワークショップでの成果をより多くの高校生に還元するための動きへと発展しつつあります。

高等学校における真の探究の実現と企業の人財育成をリンクする、新たな取り組みの第一歩としてのワークショップのレポートをお届けします。

*未来の教室 CHANGE-MAKER’s Lab.構想
経済産業省「未来の教室実証事業」の一環として、新たな次世代イノベーター育成のための産官学連携・複数企業協働による高度な専門性へと誘う探究型の学びの場の提供を通じ、新たな教育支援のアプローチを試行する取り組みです。
2018年度は、パイロット実証として、高校生×企業人でのワークショップを実施、産業界の専門家とのコラボレーションを通して、「高校生が考える未来の学びのあり方」を策定、企業人とともに、経済産業省担当者・産業界に向けて発信しました。

DAY1

自己紹介セッション

多様な背景を持つメンバー

ワークの様子

1日目は、まずお互いを知ることから。全員との握手から、自己紹介セッションで、自分の好きなモノ・ヒト・コトについて、ミニ・プレゼン。本当に多様な背景を持つメンバーが集まっているこの場の価値を実感し、先が楽しみになる午前中のセッションでした。

お昼も全員混合グループでゆっくりコミュニケーションをとり、いよいよ午後は本題へ!
CHANGE-MAKERとして、「未来について考え、未来のVISIONを持つこと」が重要であるため、まずは2020年の未来に向けて、今企業がどんな取り組みをしているのかを企業の側からインプットいただきました。その内容を受け、高校生と企業人が混合のグループで「2030年の未来」をイメージマップ化します。2030年、家庭生活・交通・医療介護の分野がそれぞれどのように変わっていくのか、限られた中でネットを駆使してデータ収集・意見交換。意外と実現している技術も多く上げられ、高校生にとっては知っているようでわかっていない未来の社会が見えてきます。企業講師も、高校生の自由な発想と発言に刺激を受けながら、最終的に「Q.私たちの欲しい未来に大切なものは?」という本質的な問いに、グループごとの納得解を出します。全体のシェアでは、全グループ共通して「人間らしさ」「相手を思いやる気持ち」など、人の心に立ち返る観点が挙げられ、CHANGE-MAKEのベースになるべき考え方を共有した1日目でした。

環境設定は、Wifiへの常時接続ができるタブレット端末(iPad)を一人一台提供し、オンラインアンケートやOne Page Portofloio(OPP)で、3日間の個々の自己評価、メタ認知、学びの履歴を残していきます。

導入1
導入2

DAY2

photo01

photo02

photo5

photo03

photo04

▲上から:

  • 大日本住友製薬株式会社 栗田 光將 氏
  • 株式会社タスカケル 坂井 信之 氏
  • 花王株式会社 大鹿 正人 氏
  • 株式会社関水金属 山瑞 進一 氏
  • 日本電信電話株式会社 落合 慶広 氏

CHANGE-MAKER’s Lab.ワークショップが2日目は、会場を変えて今回の参画企業のうちの一社、株式会社関水金属さまの埼玉工場にて行われました。
5社の企業講師によるプレゼンテーションは、「意志・役割・能力」の3つの観点から、会社としての役割・その中で個人の果たす役割、そこにある意志(想い・願い)、役割を果たすために必要となる「能力」について、それぞれのキャリアをふりかえりながら、そしてパーソナルな経験談を交えて真摯な思いを伝えるものでした。各社の発表に対し、企業講師と生徒、教員が協働で内容を掘り下げる時間を設け、質疑応答やディスカッションの質がDAY1以上に深まりました。生徒も教員も、参加者全員がそれぞれの発表内容や質疑に対する率直な応えに心揺さぶられ、プロフェッショナリズム、そしてDAY1につながる「人への思いやり」「人を喜ばせたいという思い」が仕事をするうえでの判断基準になることを確認しました。

同時に、「他社との協業」「異分野・他の専門性との協業」といった、現在のトレンドも各社共通しており、そのために、一般ユーザーの声を広く集めることも含め、分野を越境したオープンイノベーションが、企業のめざす一つの姿であること、そのために、今回のワークショップのような場が必要であることも提示されました。

「そうはいっても企業の事業活動の目的は利益の創出だろう」という高校生の意見を端に、ディスカッションも起こり、「イメージにはないかもしれないけれど、企業が利益のことだけを考えたら立ち行かない」「会社が社会に貢献しようと思ったら、もちろん資本が必要。会社が持続することは大前提。でも、そのために目先の儲けにとらわれては本質を見失う」といった意見が交わされました。

生徒は、この5社の発表を受け、自分たちがどのように講師の想いや各社の事業価値を受け止めたのか、そこから見いだせる、CHANGE-MAKEのヒントは何か、をプレゼンテーションとしてグループごとにアウトプットしました。発表はDAY3にて!

企業発表への質疑応答
▲ 企業発表への質疑応答

この日のハイライトの一つは、関水金属さまの工場見学!生徒はもちろん、大人が目を輝かせながら、オートメーションと人の感覚の両方を駆使したモノづくりの真髄に触れました。休日にもかかわらず、多くの社員の皆さまがサポートしてくださり、製品を作るだけではない、潜在的な顧客ニーズを引き出し顧客の幸せな人生に貢献する、関水金属のポリシーを感じる現場でした。

photo07

photo08

関水金属工場見学風景と集合写真

関水金属工場見学風景と集合写真


DAY3

子どもたちの発表風景

子どもたちの発表風景

CHANGE-MAKER’s Lab.ワークショップ、最終日。今朝は、生徒によるプレゼンからスタート。昨晩+朝の時間も使って、講師のプレゼンへのフィードバックの準備をしました。

3グループによる、動きのあるズーミングプレゼンテーションツールPrezi©を活用した発表は、表面的な情報の整理にとどまらない、高校生から見た企業講師の姿、高校生が受け止めた思い、そして各社に共通するマインドセットや視点などが明確に整理され、参加した高校生の理解力、アンテナの精度、そして協働でこのプレゼンテーションを短時間でやり切った協働スキルに講師も感激。
「本当に伝えたいと思っていたことが伝わっているのがわかり、うれしかった」という声もありました。

プレゼンテーションの内容も踏まえ、ここで一人一人がこれまでの個々の学びをふりかえる時間、また「もっと話を聞きたい!」という企業講師のところに行って、意見交換する時間を設けました。
高校生にとっては、興味関心のある分野を少し掘り下げ、学校に戻ってからの自分の探究テーマの検討につなげる意味があります。

最終の協働アウトプット01

最終の協働アウトプット02

午後。ワークショップはここでは終わりません。ここからが、最終の協働アウトプットのスタートです!
企業と高校生の混合グループで、いよいよ3日間の交流の集大成として、本取組を発展・継続させるための「産業界へのアピールメッセージ」を作成しました。
企業講師・高校生別室でワークショップそのもののふりかえりをしながら、企業講師は自身の会社や社会に対し、高校生からは大人・企業に対し、「こんな場が欲しい!」という要望と、その「場」を表すキャッチフレーズを検討、3グループが、各グループごとにユニークな提案をしてくれました。
高校生のほうから、もっとお金の話や、きれいごとではないことを伝えてほしいというリクエストが多数。
企業からは、企業の参画メリットをもっと明確に明示する必要があることを示唆いただきました。

最後に、経済産業省 未来の教室ご担当の浅野大介室長(サービス政策課 教育産業室)からもご自身のこれまでのキャリアとその変遷を踏まえた
CHANGE-MAKEの考え方についてのレクチャー、そして高校生へのエールをお送りいただきました。
「こんな場がほしい!」の案として、多く出たのは「この場限りにしない仕掛け」「コミュニティ化して継続させる」という案でした。企画者として私たちは、この提案の実現に向けて次なる一歩を考え、動き続けます!

また、各人の感想として、「このような機会は本当に貴重、自分の未来や人生について考えるきっかけになった」「今までぼんやりとしていた未来が近づいた」「大人も子どももなく、刺激があった」「まさか3日間でこんなに自分に変化があるとは!」といった発言が多くあり、互いのコメントに感動しながら、「未来の教室」の実現に向かってあたたかな『共感』の輪が広がりました。

全員でアンケートに回答し、個々のOPPを完成させふりかえりをし、3日間のインテンシブな「未来の教室」のトライアルの幕が閉じられました。皆さん、大変お疲れ様でした!ここからが、スタートです。

ただの思い出にするな

集合写真


アンケート

CHANGE-MAKERに求められるスキル 自己評価

今のあなたにあてはまるものを選んでください
(PRE/POST比較、参加者26名)

グラフ2

「CHANGE-MAKERに求められるスキル」についての参加者(講師5名、生徒13名、教員8名)のPRE/POSTの自己評価から、3日間のマインドセットに変容が見とれる。特に「物事を深く考える」「多様な人の意見、多様な価値観を受け入れる」の選択数が大幅に増加、次いで「自らの意志をもって物事に取り組む」「意見の違う人たちと合意形成を図ったり、物事を決めることを楽しむ」が増加。自発性・主体性をもって、他者とかかわることの必要性の意識化がなされた。

自由記述(抜粋)

3日間で「得たいもの」と「得られたもの」の変化
>PRE:得たいもの >POST:得られたもの
生徒 楽しく、為になる話し合い 私が、今後どうなりたいのか
自分の知らないことを知れる 変わるための能力
自分の視野、人間関係を広げ、将来に対する姿勢を変えていきたい 人の意見を聞く力、思いやりを持って人に接する力、何事も楽しもうとする心、沢山の価値観を持った仲間
企業講師 新しい発見や考えることの楽しさを伝えたい 自身の欠けている点、若い世代と共に未来を創る視点
教員 これからの教育のあり方に関する情報の入手 教育改革への意欲
CHANGE-MAKEに必要だと思うこと
生徒 自分から恐れずに変化し続けること
人を思いやれる人材になることだと思いました
本音、刺激、理解
企業講師 変化を受容する姿勢、自己開示
未来のイメージを形成し、そこから情報を引き出し、今に必要なものを作り出す
教員 情熱
多様な人々と交流する

一覧に戻る