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企業コラム

“ビヨンドSDGs”時代の次世代育成
いーたいけんアワード審査員の評価観点から

文部科学省が主催する「いーたいけんアワード(青少年の体験活動推進企業表彰)」は、企業による優れた体験活動を表彰する制度です。企業の次世代育成やESG経営の取組を広く社会に共有する場として注目されています。

文部科学省Webサイト「令和7年度 いーたいけんアワード(青少年の体験活動推進企業表彰)特設ページ」より

表彰式当日には、企業による最終プレゼンテーションと審査員との質疑応答が行われました。そのやり取りの中で特に印象的だったのが、「ビヨンドSDGs」という言葉です。
この言葉は、単にSDGsに取り組むだけでなく、その先にある社会的価値の創出まで視野に入れた活動を示すもので、応募要項にもその評価の視点が明示されています。評価項目や審査でのコメントを整理すると、その観点は大きく三つに集約できます。

目次

「いーたいけんアワード」に見る3つの評価観点

1本業との関連性

企業の次世代育成が、企業の本業や事業戦略と
どのように結びついているか

審査員からも、「持続可能な取組とするためには、本業との関連が重要である」という趣旨のコメントがありました。単なる社会貢献活動として位置づけるのではなく、取組に独自性が生まれ、継続的な実施が可能になります。同時に、社会が抱える教育課題を踏まえ、企業として貢献できる領域を見極めることも重要です。
自社の事業内容をいかすことで、取組に独自性が生まれ、継続的な実施が可能になります。同時に、社会が抱える教育課題を踏まえ、企業として貢献できる領域を見極めることも重要です。
こうした考え方が、本業との関連性を重視する評価観点の背景にあると考えられます。

2地域社会やステークホルダーとの関連性

企業の取組が、地域社会や多様なステークホルダーと
どのようにつながっているか

単発の出張授業にとどまらず、地域の施策や学校の教育課程と連動しながら、継続的な関係性を築いているかが問われています。今年度大賞を受賞した大和ハウス工業のプログラムは、「まち×探究×居場所空間」をテーマに、子どもたちの学びを支える“サードプレイス”を地域の中に創出する取組です。社会の創り手を育成する「循環型共育」の実践として、審査員からも高い評価を受けました。
このように、企業の取組が地域や多様な関係者とのつながりの中でどのように位置づけられているのかも、この点も重要な評価観点の一つとなります。

3社内理解への配慮

企業の取組が、社内でどのように共有され、
推進されているか

応募要項では、社内での理解や推進体制への配慮も、重要な視点として明示されています。
企業の取組を持続可能なものにするためには、社内の巻き込みが欠かせません。各社のプレゼンテーションでも、従業員エンゲージメントの向上や経営層の関与について言及がありました。活動が特定部署にとどまるのではなく、組織全体で共有され、推進されているかどうかが問われています。
社員一人ひとりの参画や共感があってこそ、取組は継続し、発展していきます。人的資本経営の観点からも、この視点は今後さらに重要性を増していくと考えられます。

おわりに
表彰式の中で印象的だった「ビヨンドSDGs」という言葉は、次世代育成の分野においても、新たな視点が意識され始めていることを示しているように感じられました。
本業との関連性、地域社会やステークホルダーとの関係性、そして社内理解への配慮。いーたいけんアワードの審査やコメントからは、こうした三つの観点を踏まえて設計された取組が評価されていることがうかがえます。
企業が自社の強みをいかしながら教育課題と向き合い、持続可能な形で取組を育てていく。そのような動きの中で、次世代育成の分野にも「ビヨンドSDGs」という観点が広がり始めている。今回の表彰式では、その兆しを感じることができました。

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